5/10/2009

「縞」単純なものほど美しい

単純に見えるものほど奥深く思います。きっと無限大の変化を生む可能性を秘めているからかな?
縞柄の着物を見ると、そんなふうに思います。
私の着付け教室に、大変縞柄が好きな生徒さんがいらっしゃいます。彼女が大胆な色の帯揚げを選ぶと、縞柄の魅力がとても際だって、粋なオシャレだと、とても新鮮な気持ちになります。
私も縞柄の着物が大好きです。

縞柄と言われる縞模様にも、たくさんの柄を指す名称があります。
例えば、鰹縞、子持縞、千筋、大名縞、滝縞、立涌縞、だんだら縞、万筋、盲筋、棒縞、やたら縞、よろけ縞、カピタン縞、唐桟縞などなど、
こうした少々上品さに欠ける目の覚めるような表現が縞につけられるのも、縞はもともと、「身分の卑しい者のきるもので、高貴の者は下着にも用いるべきではない」と『宗五大草紙』(1528年)という武家故実書に書いてあります。(この場合の縞は、経縞をさしています)。そうした感覚を、オシャレに変えていく粋なところが日本の美意識のなせる技だと思いました。

見たままの具像性を表現できる柄よりも、縞は、その先にある意味を組んだ、想像力に富んでいて、飽きがこないファッションだと思います。
「縞柄と日本人の美意識」で、大島史郎は以下のように言っております。

黄色と黒の縞模様が踏切の遮断棒や立入禁止の工事の表示につかわれるように、それは人目に鮮やかに映る。(略)
しかし、そうではない。ことに日本的な美意識ではむき出しの自己主張は卑しいとされる。
色彩は中間色、そして文様は隠すというのが常法だ。文様を隠すというと、振袖などの華やかなものはどこを隠しているかと問われるかもしれないが、あれは伝統的な文様で個を隠しているのである。独創は許されてはいない。だれしもが納得できる伝統文様で、溶け込んでいるから抵抗がなく見られるのだ。
生徒さんが中間色の縞柄の着物に派手な帯揚げの色を選んだとき、縞の魅力を逆に際だたせるように、その全体の調和が行き届きます。
縞はまさに”むき出しの自己主張のない”柄ですが、富んだ可能性を秘め、それが着る人の数ほどに魅力を引き出していく。
大島史郎が言う「単純なものほど美しい」心に染みわたる言葉だなって思います。








浅草で買った縞柄の着物
裾まわしが黒なのが粋な感じ

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