7/03/2009

お稽古中の小話

ニューヨークで着付け教室を開いてもうすぐ一年になります。
ニューヨークで着付けを習うというのは、きっと日本の環境の中で着物の着付けを身につけるのとは違い大変なことだと思いました。日本では呉服屋さんを見つけようとすれば見つけられる、日常の生活のなかでもお店のウィンドー越しからも着物を見ていたりすることもあります。テレビをつければ、時には時代劇がながれている、街を歩いていれば時々は着物姿の人を見かけます。意識しなくても、どこかしらで着物を目にしている。常にそうした環境にかこまれた中で着物を習うのと、海外生活のなかで着物を習うことは環境があまりにも違うように思いました。
そうした中でも、出来る限り、着付けの技術だけではなく、着物の知識も自然と身につけていけるよう心がけていました。
知識をつけようということで、教科書を用意していろいろ試みたのですが、どうしても話が脱線してしまいます。
生徒さんの中にはスピルバーグ制作の「SAYURI」と言う映画を見て着物に興味を持った方が時々いらっしゃいます。私が花街のことで知っているのは、日本にいたときに周りから聞いた話ほどの知識でしかないのですが、着物の話に花柳界の話を時々加味すると「面白い」と言っていただけることが多いです。

 小話

「紬」は普段着なので、花街では紬を着て男の人と二人で歩いていると、普段着で会うほど親しい仲ということを示しているということ。

「簪(かんざし)」は、簪の尖った先が女性の護身の役目をしていたこと。

京都の舞妓さんを東京では「半玉」と呼ばれています。
むかしは一つのお座敷をお線香一本が燃える時間を計ってお花代(玉代)を頂いて一人前の芸者と言われていたから、その半分の見習い芸者を半玉と言ったこと。

舞子さんの帯は6メートル以上もあって、丸帯(両面柄が入っていて)、必ず屋号が入っていること。

 花街以外の話で紋について

生徒さんから、既製品の着物を買う前に、「自分の家の家紋とは違う紋が着物に入っているのですが、別の家紋の入った着物を着るのはおかしいですか?」と相談され、買うのを迷っている着物の画像を見せていただきました。
その着物についている紋が、皇室の替え紋の桐紋で(桐紋は、皇室から下賜された豊臣秀吉が愛用した紋で有名)、 桐紋は明治以降、誰でも使えるようになったから、五三の桐は庶民もこぞって使うようになり、現在でも女紋として一番使われているのではないのかと・・・
昔から必ずしも自分の家の紋が入っているわけではなかったこと。

 などなど・・・

生徒さんに「帯の三大産地は?」と教科書にそった内容のお話をするより、小話をした時のほうが活き活きと話を聞いてくださいます。
基礎知識は大切だけど、着物は奥が深く、本や教科書の文字から得るだけのものではなく、その向こう側の世界が見えてこないといけないのだなって、そんな着物の世界が広がりをもてるように、お稽古中の小話も大切なような気がしました。
無駄な話も多いかもしれませんが、これからも楽しいお稽古を生徒さんにできたらと思います。

2 件のコメント:

  1. こんにちは。今回の小話とっても楽しかったです。それに十分勉強になりました。それから質問です。Y.Nで着付けが必要な方々はさぞ素敵なお着物を着られることと思います。そんな着物の場合クリーニング屋さんはあるのですか?

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  2. コメントありがとうございました。また、小話を楽しんでいただきまして、とてもうれしく思います。ご質問内容ですが、私のところでは、日本に丸洗い(クリーニング)を出しております。そのページはこちらです。
    http://www.kimonohiro.com/consultation.html
    お気軽にご相談ください。

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