7/14/2009

バルセロナの色彩と沖縄の織物

先日、スペインのバルセロナに滞在していました。
建築ではガウディ、絵ではピカソ、そして、街中のいたるところで見かけるZARAというブランド。そのブランドは、1970年代にスペインに第1号店が出来てから、世界的にも有名になったスペイン発端のブランドです。色彩がスペインぽいと言ったら変ですが、色鮮やかです。

なぜか、その土地の風土を感じるファッションとして、沖縄の南国の色鮮やかな紅型を思い出してしまいました。
そして、その対照的にある、沖縄の織物についても考えていました。沖縄は自然があまりにも明るく豊かですが、その気候から思いつきようもイメージが出来ないような、ロウを引いたように滑らかな光沢をもつ宮古上布など繊細な美術品のような趣をもつ織物が多くあります。そして織物の宝庫です。
私が知っているものだけあげても、芭蕉布、読谷の花織、首里の手縞、琉球絣、久米島紬、宮古上布、八重山上布などなど多種多様です。
一見控えたような中に、あまりに力強い美しい織物が、なぜ出来ていったのだろうと、むかし、疑問に思ったことがありました。
それには、琉球という歴史的な背景があることをいろんな本で読みとることができます。
琉球王朝時代の絣と言えば、白絣の色物は王家の晴れ衣であったり。
絣に次いでの花織は、王家の組織で出した無地物に、色糸を入れて、夜空にきらめく星のような小柄が織られたそうです。花織には、綾と呼ぶ縞がありますが、綾は母親の美称で美しいものを意味します。
そして、宮古上布について岡部伊都子さんが「染織を歴史の証として」で書かれている中には、「琉球王府をしめあげる島津の収奪によって、重々の苛政に、先住民が重税を織物で納めていたこと。その苦役のうちにひらめく美感覚とすぐれた技術能力」などが語られています。
歴史的背景で見る織物もいろんな視点があります。
そして、私がとても共感したのは、「沖縄では衣服はその人の身替りで、織物は霊的な存在でさえあり、美しさの基本を形造った。つむぎ織る作業は女心を織る尊いいとなみである」というお話でした。

時々、ふっと、思い出すこと。
私に着物の着付けや着物について教えてくれた先生は、私がお稽古に伺っていたときには既に70歳を過ぎていました。とても優しい先生でしたが、私が、着物の裾を少しだけまたいでしまったときに、「もう、お稽古に来なくていいわよ」と厳しい口調で言われたことがありました。当時は、「怒られちゃった」と言う程度にしか受け止められなかったのですが、時折、その時の先生の姿を思い出しては、それだけ着物に語り尽くせないほどの愛情を持って教えてくれていたことに、胸が熱くなることがあります。

「織る尊いいとなみ」
美を感じる中には、伝わり継承されていく、基になっている人々の心の中に生き続けているものがあるのだと思いました。


喜如嘉の芭蕉布









読谷花織






*画像は泰流社「日本の染織」より

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