10/20/2009

ミュージアムで帯結び披露


ワシントンDCのテキスタイルミュージアムで開かれたシンポジウム”From Kimono to Couture”では素敵な出会いが続き、素晴らしい出来事が起こりました。
最終日、show-and-tellと言うファイナルセッションでのこと、帯結びを皆様の前で披露する機会に恵まれました。

Kimonoと付くシンポジウムにもかかわらず、着物を着た人が登場することなく終わりそうになっていました。最終日の前日、アメリカ人の女性が、着物を持ってきたけど自分で着ることが出来ないと言うことで、私に相談をしてきました。
そして、せっかくなので皆様の前で帯結びを披露してほしいと御願いされました。
持ってきた物を伺うと、着付けに必要なお道具はほとんどそろっていませんでした。夕方、本当ならワシントンDC名物のクラブケーキを食べに行くはずだったのですが、そんな心に余裕もなく、ドラッグストアに行って、腰紐に替わりになりそうな2mほどの包帯を買い、洗濯ばさみを探し(アメリカって「洗濯ばさみ」がないのですね)帯板の代わりになるような厚紙、厚手のノートの表紙とか段ボール箱とか探しました。なかなか見つからないものですね。包帯と輪ゴムを買えただけでも、「なんとかなるかな?」と思えて、とても即興に近い状態で挑むしかありませんでした。
そして、帯結びを披露する当日、アメリカ人の女性が持ってきた物を見せていただくと、帯自体に芯が入っているようで堅かったので、なんとか帯板なくてもきれいな形を作れそうでした。そして、着物のサイズですが、「問題ない」と言っていたので安心しきっていたら、なんとほぼ対丈でした。はしょりを出せるか不安になるほどのある意味ジャストサイズでした。
でも、なんとか「はしょり」を作りました。腰紐が2本あったのがとても救われた気持ちになりました。伊達締めがないので、包帯を代わりに使ったり・・・、お道具はなければないで、何とかなるものだと思いました。
シンポジウムのファイナルセッションの会場は、美術館の庭園で行われました。生憎の雨で美しい庭園にテントを張ってしまっていましたが、それでも、会場は満席、立ち見が出来ていました。そこで、皆様が持っているジャパニーズに関する服飾(着物から現在のストリートファッションまで)コレクションを見せ合って、ファッション関係の大学の教授や、美術館のキュレーターがコメントしていきます。着物コレクションの時に私の出番がやってきました。
はじめは、帯結びをお太鼓で登場して、そして、着物について質疑応答があって、そして、そのあとに、お太鼓をほどき、変わり結びを披露しました。

その前日に、Liza Dalbyさん(今回のシンポジウムのメインプレゼンター)との素晴らしい出会いがあり、ランチをご一緒して沢山お話していたこともあって、当日、帯結びを私が皆様の前で披露しなくてはいけなくなっても、彼女が私の側にずっとついていてくれました。そして、着物についての質疑にもDalbyさんが応答してくれていました。私の経歴も皆様に紹介をしてくれました。彼女がいてくれたので、私も緊張することなく、帯の変わり結びを披露できました。腰紐が足りなかったので、自分のワンピースのベルト紐を抜き出して仮紐にしたりして、アメリカ人の観客の人たちの歓声が面白かったです。少しパフォーマンスが入ってしまいました。
変わり結びが出来上がって、皆様に見せると「OH!」と声が上がったので、とても形に出来てよかったと思いました。

最後の締めの言葉で、この美術館の最高経営責任者のMaryclaire Ramseyさんが「Hiroありがとう」と言ったときに、皆様の拍手がいっせいにわきました。とても感動して、呆然として、立ち上がって皆様の拍手に答えないと行けないのに・・・ちょっとホロッとして立ち上がることすら出来ませんでした。

帯の飾り結びの出来映えは、納得がいく物ではありませんでしたが、一本の帯でいろんな形が作られていくこと、
着物や帯、結び方一つ変えるだけで同じ着物と帯とは思えないほど多様な表情に変わる、それだけの素晴らしい可能性を秘めている帯結び、を伝えることができたのではないかと思います。

心通い合うメッセージを、形に作ることが出来てたような、会場と一体感が生れた帯結びを披露してよかったと思いました。




2 件のコメント:

  1. はじめまして。兵庫県高砂市のミズスミと申します。『キモノを世界のフォーマルに』応援しています^^私も毎日キモノで理美容の仕事(自営)をこなす側ら月に一度ブックカフェを借りて”キモノサロン”を開いて『キモノを普段着に』と奮闘中です。ご活躍を楽しみにしております。

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  2. Hiroさん
    LA着物クラブの鶴亀です。とても素晴らしい出会いになったようで良かったですね。日本の美をなるべく多くのアメリカの人々に味わい楽しんで欲しいと思います。是非これからも頑張って下さい。ロサンゼルスから応援しています。

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