5/21/2009

京都から扇子が送られてきました。
はるばるニューヨークまで来てくれた扇です。

この扇は、宮脇賣扇庵というお店の扇です。 「宮脇の扇子を知らずして扇子を語るなかれ」と送ってくださった方が言っていました。
このお店は、文政6年(西暦1823年)に屋号を近江新兵衛として京都に創業し、180余年の歴史・伝統を受け継いだ扇の老舗です。店内には、重要文化財指定の「天井絵」があります。
創業の文政6年は江戸時代です。その時代から工芸品としての「飾り扇」の創案をし、時代時代に合った多彩なオリジナル画など、その伝統の継承、受け継がれた意匠と技術、今もなお褪せることなく活き活きと続いています。

「扇子は八十七回、職人の手を通る」と、言われているそうです。
扇子は、それほど細かな作業の積み重ねによって完成にいたり、近代的なオートマチック生産や工業化は馴染みません。熟練の技術を身につけた職人とその技の伝承が必要不可欠ですが、「宮脇の扇子」は、まさにその歴史の積み重ねのうえに出来上がる至宝のような扇子だといえます。

全ての製品は「宮脇賣扇庵」にて自社製造しています。
この桃色の扇子は、華染扇(京北山杉染)です。自社製造だけではなく、原材料も生産地である京都の自然の染料にそめられ作られた扇子です。

「物作り」というのは、その地域の風俗(生活スタイル)と時代の鏡だと思います。それが時代を超え着物や扇などに伝承の技術が残され、新たな時代に合った発展を重ねて後世に伝えられていくのが「匠」のなせる技なのでしょう。

京都、宮脇の扇子から流れる風で、ニューヨークで涼めるなんて、贅沢すぎるような気がしました。

宮脇賣扇庵 http://www.baisenan.co.jp/

5/13/2009

NYイタリアン"Bella Blu"

アッパーイーストにあるBella bluです

そのほど近い隣の"Lumi"というリストンラテより、こちらが個人的に好きです。
それは個人の好みだから何ともいえないのですが、Lumiは少々改まった格好で伺いたいと思います。

"Bella Blu" 昨年の8月かな(?)、セントラルパークで野外オペラ見た後に、寄ったリストランテでした。

本日は、外出先でのランチをどこにしようかな?と辺りを見回すと、そのレストランがありました。
私は、ランチからスパークリングワインを飲みながら、ペスカトーレをいただきました。豪快です。美味しかった-!
ご一緒に食事をした人とともに、初夏の陽が差し込む店内で楽しい一時でした。
そして、もうランチの時間が終わる(終わっていたかな?)ギリギリに店内にはいっても丁寧に接客してくれて・・・うれしかった。



zaza NY

アッパーイーストの中庭のあるレストラン。
はじめ、入るときは「お客様がいないけど」と不安。でも、評判を当てに入ってみると奥に中庭がありかなり良い感じのお店でした。
イタリアン、美味しかった。


5/10/2009

「縞」単純なものほど美しい

単純に見えるものほど奥深く思います。きっと無限大の変化を生む可能性を秘めているからかな?
縞柄の着物を見ると、そんなふうに思います。
私の着付け教室に、大変縞柄が好きな生徒さんがいらっしゃいます。彼女が大胆な色の帯揚げを選ぶと、縞柄の魅力がとても際だって、粋なオシャレだと、とても新鮮な気持ちになります。
私も縞柄の着物が大好きです。

縞柄と言われる縞模様にも、たくさんの柄を指す名称があります。
例えば、鰹縞、子持縞、千筋、大名縞、滝縞、立涌縞、だんだら縞、万筋、盲筋、棒縞、やたら縞、よろけ縞、カピタン縞、唐桟縞などなど、
こうした少々上品さに欠ける目の覚めるような表現が縞につけられるのも、縞はもともと、「身分の卑しい者のきるもので、高貴の者は下着にも用いるべきではない」と『宗五大草紙』(1528年)という武家故実書に書いてあります。(この場合の縞は、経縞をさしています)。そうした感覚を、オシャレに変えていく粋なところが日本の美意識のなせる技だと思いました。

見たままの具像性を表現できる柄よりも、縞は、その先にある意味を組んだ、想像力に富んでいて、飽きがこないファッションだと思います。
「縞柄と日本人の美意識」で、大島史郎は以下のように言っております。

黄色と黒の縞模様が踏切の遮断棒や立入禁止の工事の表示につかわれるように、それは人目に鮮やかに映る。(略)
しかし、そうではない。ことに日本的な美意識ではむき出しの自己主張は卑しいとされる。
色彩は中間色、そして文様は隠すというのが常法だ。文様を隠すというと、振袖などの華やかなものはどこを隠しているかと問われるかもしれないが、あれは伝統的な文様で個を隠しているのである。独創は許されてはいない。だれしもが納得できる伝統文様で、溶け込んでいるから抵抗がなく見られるのだ。
生徒さんが中間色の縞柄の着物に派手な帯揚げの色を選んだとき、縞の魅力を逆に際だたせるように、その全体の調和が行き届きます。
縞はまさに”むき出しの自己主張のない”柄ですが、富んだ可能性を秘め、それが着る人の数ほどに魅力を引き出していく。
大島史郎が言う「単純なものほど美しい」心に染みわたる言葉だなって思います。








浅草で買った縞柄の着物
裾まわしが黒なのが粋な感じ

5/02/2009

とってもうれしい日本からの便り

こちらニューヨークの私の着付け教室で、全国和装コンサルタント協会の2級講師の着付けの免状を取得した生徒さまが、1ヶ月前に日本にご帰国され、そして銀座のウェディングサロンに「着付けの仕事が決まった!」と本日メールが届きました!!うれしくて、とてもうれしくて。電話をかけようと思いましたが、今、日本は真夜中。改めて「おめでとう」メッセージを送ろうと思います。
その生徒様は、私のニューヨークでの仕事で着物スタイリストとして請け負った商業広告の着物の撮影の時に、着付けの仕事を手伝ってくださいました。ニューヨークの教室で育てた生徒様に私が初めて報酬をお支払いすることができてうれしかったことを思い出します。そして、アメリカの現地の人たちとご一緒する仕事の中で「着付けの技術」をクライアントやプロデューサーに仕事として認めていただき、撮影現場では、二人でそれに答えられるように仕事をご一緒いたしました。
教室に通い始めてくれるようになり数ヶ月の間でしたが、生徒様の支えもあって、ニューヨークでの仕事を超えられたことがいっぱいあったと思います。
日本にご帰国されても、着物の着付けの技術が仕事としてつながり広がってくれたこと、心からうれしく思いました。