11/27/2009

NYの日本酒イベントでの着物スタイリング

アメリカのイベント会社からの依頼で、着物スタイリストとして着物のコーディネート、そして着付けをしてきました。
そのイベントは日本酒のイベントでした。
会場はミッドタウンにあるホテルでした。

私は英語が少々苦手なので、最近、アメリカの会社からの依頼の仕事の対応してくれる方が出来て、初めて二人で挑んだアメリカの大手イベント会社からの仕事でした。

お酒のイベントなので、お太鼓系の飾り結びで、鏡割りを連想するように、小さなお太鼓は酒樽で、木槌で樽をわると水しぶきが勢いよく上に上がるように扇ヒダで上へ上へと広がるように作りました。

先日、そのイベント会社から、「ありがとう」メールが私の仕事を手伝ってくれている方のところに届いていました。そのメールを私に転送してくれてジンワリ感動いたしました。
はじめての二人でやった仕事が成功した実感を得ました。
これからも、ご一緒に仕事がしたいと心から思いました。
お酒のイベントで、着物を着付けている時とイベントが始まる前にとった写真です。


11/25/2009

大島紬の美 2.奄美大島の自然が産み出す泥染め

前回の「大島紬の美 1」の続きです。

大島紬の染めは、タンニン酸を豊富に含む染料で糸を染めていきますが、漬け込むだけでは染まりませんので、液を泡立てながら空気に触れさせ、揉みこんでは絞り、また揉みこみます。途中、石灰水に浸すことでタンニン酸を中和し染色を定着させ、その時々の色の具合を確認しながら、数十回となくこの作業を繰り返します。この繰り返しにより、糸は赤~茶褐色に染まり、色の層もどんどん深くなるのです。
テーチ木染めしたものを次は泥田で染めます。奄美大島は地層が古いため、泥のきめが細かく粒子が丸いため糸が傷つかず、また赤土の土壌で鉄分が豊富という特徴があります。テーチ木に含まれているタンニン酸と、泥の鉄分が自然の化学反応を起こし、泥田に入れて揉むようにして染めていくと色合いがみるみる黒っぽい色に変わっていきます。色合いの変化だけでなく、泥染めにより糸はしなやかになり、ツヤが出て、防虫効果や静電気防止、消臭作用、いろんなメリットがあります。さらに色素の結合力が増し、退色防止にも役立っています。自然の力を利用した素晴らしい知恵ですね。このテーチ木染めと泥染めを何度となく繰り返すことによって、泥大島の色に深みが増していくわけです。
大島紬の歴史を遡ると早くも奈良時代には東大寺や正倉院の献物帳に「南島から褐色紬が献上された」との記録が残っています。この褐色紬こそ、梅染め、桃染めという古代染色の技法が奄美大島に伝えられ、自生するテーチ木、 チン木、フク木などの草木を用いて染色されたもので、現在の泥大島の元祖ではないかと推測されています。
まさに奄美大島の大自然を活かしきった泥大島。ニューヨークで泥大島の着物を着たら、どのように迎えられるか楽しみです。

11/16/2009

伝えていきたいこと

大島紬を通して、前回のブログに載せた素敵なビデオに出会い、まわりくどいかもしれませんが、
「伝えたいこと」「受け継がれたい”技”」について考えました。

先日、私の記事が載った雑誌「月刊アレコレ」が休刊になりました。私はその雑誌の「きもの人 十人十彩」という欄に載せていただきました。
月刊アレコレの編集人である細野様から「かたちを変えて何らかの発信はしていきたいと思っています。」の一言に、胸が詰まされました。

伝えたいことがあること自体、素敵ですし、それを発信し続けること・・・とても大切だと思います。

私も伝えたいこと・・・いっぱいありますが、着物は、文化が凝縮されていることもさることながら地域性の特色もあって、着付け教室に来る生徒様に伝え方について迷うことが多々あります。家紋にしても関西と関東での解釈が違ったりして、でも、紐解いているときがとても楽しかったりします。そして、着物一着の中にもいろんな文化や地域の特性が沢山含まれていて、知れば知るほど尽きない世界があります。

前回のブログで紹介したビデオにあるように、多くの職人さんにより作られた「着物」の技が後世に良い形で受け継がれていくことを願う気持ちを底辺に持ち続けて、「着物」を海外の地からですが、伝えていければと思っています。

大島紬に焦点を今回はおいて、日本の技の素晴らしさを少しでも伝えることが出来ればと思いましたが・・・その技法の素晴らしさを書いて表現することは難しいものですね。

お勉強ノートのようになってしまいますが、引き続き大島紬を書きたいと思いました。

月刊アレコレ、今は、また次に出会うまでのお楽しみの時間をいただいたのだと思っています。
また、会えますように。

11/14/2009

大島紬の美 1.エコ的なテーチ木染め



とても素晴らしいビデオを発見。
このビデオにもある大島紬。
大島紬といえば軽さ、肌触り、通気性のよさで、オシャレな普段着物として日常を幅広く楽しめる着物です。奄美大島紬を代表するのが泥大島。テーチ木と泥染めによる「カラスの濡れ羽色」と呼ぶ色合いが素敵です。その色合いは光の当たり方により見た目が異なり、洗えば洗うほど微妙に変化します。本物は百年後に最も良い色になるとか・・・。

泥染めは大変な手間を掛けて作られます。でもとてもエコ的です。
手順は、
○奄美大島に自生するテーチ木(シャリンバイ)を伐採し、チップ状にします。
○600kgのチップを釜で半日以上かけてグラグラ煮、タンニン酸を柚出
○一週間寝かせて醗酵
○約1500-2000Lの染料が出来ます

ここからがエコ的です。
煮出されたチップは乾燥され、次の釜を炊く燃料となるのです。
燃やした大量の灰はあくまき(粽)に使ったり、山や畑にまいたり、古くは藍染めに使われてきました。テーチ木は成長が遅く、一般に樹齢20年以上のものが染色に使われますが、伐採の時に根本に近いところは残し、そこからまた新しい枝が育ち7、8年ほどで再び使えるようになります。テーチ木から灰まで島の中で完全にリサイクルされています。 無駄がないのです。
無駄がない・・・、着物に限らず、いろんな文化の面で、これは日本の優れた面ではないかと思います。
迫力あるビデオを何度も見てしまいました。ここで一息。大島紬のことをきちんと書きたいので、次のブログに続きを書きますね。
これだけの職人さんたちの技で作られた「着物」に出会えること、ビデオを見ながら少々胸がいっぱいになりました。そして、「着物」を伝えていけたらと心から思いました。