12/11/2010

糸をつむぐことからキモノははじまる

「結城紬(ゆうきつむぎ)」(茨城県、栃木県)がユネスコの無形文化遺産の代表リストに、11月16日登録されました。

結城紬は私も大好きな着物です。世界に認められた感動をツイッターで直ぐにUPいたしましたが、ブログにUPするのが月を超してしまいました。
ツイッターで、結城紬が出来るまでの工程を動画でお知らせしたところ、その動画を見て涙が出たとメッセージをくれた方がいました。私も、とても感動いたしました。

結城紬が出来るまでには、17の工程があります。
図案設計、真綿かけ、なめし加工、糸つむぎ、かせあげ、目色染め、下糊つけ、整経(たてのべ)、墨つけ、糸くくり、本染め、本糊つけ、蔵通し(おさとおし)、はた巻き、機織り、検査、整理(糊落とし・伸子張り)

2年半前に結城紬の体験工房に見学・染め織体験に行ったことがありました。
全ての工程は、茨城県の結城市や栃木県の小山で出来上がることを知りました。
真綿を手にしたときの温もりは忘れられません。

17の工程の中でも、「糸つむぎ」には、結城紬の素晴らしさを凝縮していると思いました。
糸を引くときには、先ずは設計図を見て、糸を細く引くべきか太く引くべきかを判断するそうです。
糸をつむぐ方は、親指と人差指にツバをつけながら、少し撚りぎみにして、所定の太さに引き出します。
茨城の大里ふくさん(無形文化財)は、糸を紡いで50年を過ごした時の言葉に、「いちばん難しいのは、糸を平らに引くことでしょうね。糸が平らかどうかで、紬の善し悪しは決まってしまうんです」と泰流社発行「紬 素朴な美と日本的な味わい」の中で語っています。

真綿にしてから引くということは、切れぎれになった綿状の短い糸を寄せ集めながら一本にしていくので、引き加減や足し加減が難しく、平らに引くには、熟練した技術と指先の勘が必要なのです。

着物は、糸からはじまるのだと、結城紬の着物を着る度に思います。

着付け教室の生徒さんたちが、時々、「袖を通さなかった着物が、教室に通うようになって袖を通して、やっと日の目を見た」と面白いことを言ってくれます。
不思議に、着物が喜んでいるかのように伝わる時もあります。
何かしら機会がないと着物を着ようと思うことがないとは思いますが(特に海外で生活していると)、でも、眠っている着物があったら、先ず袖を通して欲しいなって思います。上手く着られなくても、袖を通すだけでも、見えていなかった世界が見えて来ると思うのです。

結城紬の動画はこちらです。
是非、ご鑑賞してくださいね。


参考文献
泰流社発行「紬 素朴な美と日本的な味わい」
講談社発行「人間国宝シリーズ43 結城紬」

ユネスコのwebページhttp://www.unesco.org/archives/multimedia/index.php?s=films_details&id_page=33&id_film=1669

1 件のコメント:

  1. そうですね、作り手の人を何人も携わっています。最後には仕立て屋の手が加わるのですが、残念ですがなかなかこの最後の部分の職人(和裁)は、
    糸を紡ぐ織る人、染める人、刺繍する人などと比べるとその技術(和裁)は、ないがしろにされているように思います。
    特に帯の仕立ては、着物の仕立て技術に比べてひどい仕立てが多いように思います。
    染め物などブカブカだったり、
    袋帯なども、地の目が曲がっていたり、帯生地に対して芯が薄かったりして締めずらかったりしてます。
    私は帯の作り手として出来たらそこまできちんとした綺麗な仕立ても見て頂いて楽しんで締めて頂きたいなとおもいます。
    帯の仕立ては、簡単に見えますがそうではなのです。

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