9/07/2011

原点回帰

先日、カナダのトロントにビザの更新手続きのために滞在していました。ニューヨークからトロントまで飛行機で一時間ほどで到着します。別の国に来た感じがしないほどとても近かったです。 
滞在中、シルク・ドゥ・ソレイユを見に行きました。
見る前に想像していたラスベガスでの派手なショーと言うイメージ(ラスベガスで見たことはありませんが)、それとは違って思ったよりも質素でサーカスらしいサーカスでした。「トーテム」と言う演目で、躍動感ある演出がとても楽しめました。
今回のシルク・ドゥ・ソレイユの演目「トーテム」は創設者のギー・ ラリベルテさんの意向でサーカスの原点に戻ったと聞きました。 最近のショーでは道具や舞台設備に凝り過ぎたことに、本来のサーカスを見失いそうになっていたそうです。
創設者のギーさんは、火を吹く大道芸人でした。その後、サーカス団員から起業家へと変貌したのですが、起業家と変貌しても、クリエーティブな面を兼ね備えた人でした。
シルク・ドゥ・ソレイユのはじまりは、 1984年、ケベック州政府が、文化奨励のための補助金を受け、ギーさんは二人の芸人とともにシルク・ドゥ・ソレイユという名前のショーをスタートさせることが出来ました。州からの補助金がなかったそれまでは3人が率いるサーカス劇団はお客様の入りもあまりなくガラガラだったのだそうです。
元々は、サーカスという文化を守ることから始まったのです。
程なく、従来のサーカスとは違い、美しい演出でカナダで大成功をおさめます。でも、ギーさんは個人的にアメリカ市場が「非常に重要だ」と思っていて、なるべく早い段階でアメリカに進出したいと思っていたそうです。1987年にはアメリカ(ラスベガス)進出を果たします。ラスベガスと言えば、 ショービジネスの世界マーケット狙える場所なので、ビジネス面でもプロ中のプロがいる中で、 ショービジネスの素人であったギーさんが成功を果たして行きます。
「私たちのショーは非常にユニークで、オリジナリティーあふれるものでした。 自分たちのショーを信じていれば、自然と勇気が湧いてきますし、同時に、そこへ飛び込むということに喜びを感じることさえできるようになります。」
と ギーさんはインタビューで答えています。

クリエーティブな面に長け、ビジネスセンスも元々持ち合わせていたのかもしれませんが、そのギーさんが世界の市場を手に入れることが出来たバランスが保てたのも、自分の仕事の在り方を信じることが出来たからだと思いました。これは、他の分野にも言える共通のことではないのかと思いました。
今では世界各地で上演されています。今でも世界公演の一番はじめはカナダ・ケベック州のモントリオールからだと言うこだわりも持っている創設者のギーさん。

シルク・ドゥ・ソレイユが”文化”から始まっていると思ったら、岡本太郎さんの 「進化しつづけてこその文化である」と言う言葉を思い出します。その礎を兼ね備えることのバランスは大切で、今回原点に戻った”サーカス”を行うことに決めたギーさんに考えさせられることが多かったです。進化したものが”別のもの”になっても意味がないということなのかもしれません。

NYジャピオンからの取材中
私のところに情報誌NYジャピオンから取材の申し込みがありました(既に記事になっています)。カナダへの出発前だったので、一度は断ろうと思ったのですが、夫のすすめもあり取材を受けさせていただきました。
取材中記者から「着付け教室をどうしてはじめようとしましたか?」と質問され、「着物を世界へと発信したい気持ちから、先ずは着物を知り触れていただきたい、その窓口として着付け教室をはじめました」と答えているうちに、自分の原点の気持ちがよみがえりました。カナダへの出発前のことなので、ギーさんのことを知る前でしたが、その後に、シルク・ドゥ・ソレイユの背景やギーさんのことを知って、原点に戻れるだけではなく、その原点を持っていることは貴重なことだと思いました。

NYファッションウィークが今週はじまります。弊社も参加資格を取得し、ファッション業界のマーケットに近づいて行っているのかもしれませんが、原点回帰、見失ってはいけないものを分かって、信念を持ち続けることが出来ることで世界へのマーケットに参戦していけるのではないのかと考えさせられました。

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