1/27/2011

アメリカのブライダル雑誌で着物のスタイリング

アメリカのブライダル雑誌から着物のスタイリングをしてほしいと依頼があり、昨年の8月に撮影がありました。その仕事で私が着物のスタイリングしたものが載った雑誌が、先日(1月25日)に発売されました。

着物はWAFRICAと言うブランドの着物です。
WAFRICAは「和」と「アフリカ」の融合した感性が取り入れられている着物で、着物デザイナーのセルジュ モアングさんの作品です。

アメリカのブライダル雑誌に「着物」が登場すると言うのは、ファッションとしての新しいトレンドが始まる予感がして、このような仕事ができて嬉しかったです。
Googleニュースにも載りました。ニュースに載った記事はこちらです。
雑誌には、自分が着物のスタイリングしたものが5ページほど載っていて、ファッションとしての着物の提案を形に出来たことが嬉しかったです。

出来上がりの写真は美しいのですが、撮影現場は大変でした。
雑誌社のスタッフの人たちは「着物」の着付けについて服のフィッティングにしか思っていなかったようで、タイムスケジュールを見ると、ヘアやメイクの人たちの時間は用意されているのですが、着付けの時間が入っていませんでした。着物の着付けには時間がかかることを伝え、撮現場入りの時間を早めていただきました。
しかし、撮影現場に行くと、モデルさんが到着していない・・・。ウェディングドレスのスタイリストさんたちが、ドレスにスチームアイロンをかけている姿を見て変な胸騒ぎ。
雑誌社のスタッフは、モデルさんが着る前段階の服の準備に時間が欲しいと思ったようで、モデルさんに着付ける時間そのものが必要であることが伝わっていませんでした。
用意されている着物を並べ、皺を伸ばしても15分もかからず、モデルさんが到着しないと着付けがはじめられないため、早くに現場入りしてもなんの意味もありませんでした。
アメリカ人だけしかいない環境で、一から仕事をしに行く時は、このようにこちらの主旨が上手く伝わっていなかったことが少々起こります。

モデルさんが到着してからはドタバタ劇のような状態でした。ヘア&メイクを担当する人と、モデルさんの取り合いです。私がモデルさんに着付けていると、ヘア&メイクを担当している人が大声で怒鳴っていましたが、聞こえない振りをしつつ着付けを続行、お互いに時間が欲しいので、仕方がないですよね。

でも、次々着付けをしていくと、スタッフの人たちが何となく「着物には着付けが必要なのだな」と分かってくれる雰囲気になり、撮影が終わる頃には「Good job!」と言われ感謝されていました。

その時のことを覚えてくれていたのか、雑誌には大きく名前が載っていました。
「着付け」が言葉のコミュニケーション上では上手く伝えられませんでしたが、仕事を通して伝えられたこと、私も新しい発見でしたが、きっと、雑誌のスタッフの人たちも新しい発見だったと思います。

そして雑誌が発売されました。雑誌を通し新しいトレンドが始まることを願っています。

1/23/2011

アメリカの大学で講義するにあたって


ニューヨークは寒い日々が続いています。雪が降ったと思ったら止み、止んだと思ったら降る日々。

天候を気にしていられないほど、年明けから少々慌ただしい日々が続きました。
春に大きなイベントの仕事をかかえているのですが、調整や、突然取材依頼が入ったりで、気がつくと、一月も終わりに近づいていますね。

12月に在米NY日本領事館から大学で着物の講義についてご依頼をいただきました。2月にニュージャージ(ニューヨーク郊外)にある大学に着物の講義をしに行きます。

先日、領事館で、領事館の担当部門の方と大学の准教授と私の3人で打ち合わせがありました。その大学で、前に「空手」の講義があったのですが、その時の資料を見せていただきました。事前学習の資料が豊富で驚きました。空手と禅の関係が書いてあり、「技」と言うより「精神」について触れている内容でとても面白い資料でした。

毎回、授業の最後には小テストまであるとのことで、事前学習用の資料(授業の一週間前に配る資料)、授業当日のハンドアウト(配付物)を至急作らないといけないと思いました。
私の大学時代の過ごし方に比べると、アメリカの大学生はとても勉強熱心に思いました。

私が当日講義しようと思っていた内容は着物の歴史やテキスタイル(生地)の説明が大半でした。そのスライド(レジメ)を見せたところ、大学の先生から「ぜひ、あなたの仕事の話しもしてください。学生には夢や希望を持ってほしいのです」と言われました。私は、大学の講義では自分の宣伝になるような内容が含まれてはいけないと思い、仕事内容について避けて、着物の歴史・テキスタイルのお話しに限定させていただいていましたが、実際にこうした学びを得た上で、成り立つ「仕事人」の姿も学生に伝えることが大切だと、大学の先生は思っていたようです。
ちょっと胸がいっぱいになりました。ただ、知識を詰め込むだけなら本読むだけでいいのですが、せっかくの講義、人として、私の仕事を通し、学生さんたちに伝えることが沢山あるはずです。大学の先生の講義の持ち方や考え方に、感動しました。

講義当日の話す内容に、自分の仕事についても加えさせていただきました。とは言っても、着物の歴史は、しっかり学んでもらおうと、事前学習資料は8ページにまで至ってしまいました。
事前学習にしては量が多いので、学生さんたちは予習だけでウンザリしているかもしれませんが、講義当日は、楽しく充実した講義にしたいと思います。

アメリカの大学の学生さんたちにお会いするのを楽しみにしています。

デスクの上は、英語で書いてある着物の本で散らばっています。
「V&A Pattern Kimono」と言う本は、短い冊子のような本で、ロンドンにあるV&A工芸美術館においてある着物のテキスタイルのデザインが載っています。4ページほど着物のテキスタイルについて解説が書いてあって、分かりやすい解説になっております。

1/03/2011

スタイリストとして日本のテレビ番組で着物の着付け

日本の1月2日の18時〜21時に、日テレ(読売テレビ)でのお正月特番「世界の果てまでイッテQ」が放映されました。その番組のアメリカのフロリダでの撮影の時に、ボビー・オロゴンさん一家に着物の着付けをいたしました。

撮影のタイムテーブルの書いてあるところに、スタッフの名簿には、”スタイリスト”として、私の名前が載っていました。小さなことかもしれませんが、こうしたクレジットを得ると言うのはとても嬉しいです。

撮影は、12月初旬にアメリカのフロリダのペンサコーラでありました。
フロリダは暖かなイメージがありましたが、まさかの0度、寒い撮影となりました。
そんななか、写真のように、ボビー・オロゴンさんのお嬢様ローズさんのように一家は襷がけをして、ひたすらテーブルクロス引きをします。

早朝5時には着付けの支度と、6時には撮影現場に出発。気がつけば、撮影が終わったのが夜の10時すぎ、実験番組だけあって、成功するまで繰り返し撮影。バラエティー番組の収録って大変なのだなって、思いました。

それだけの苦労が実ったのか、平均視聴率が17パーセントだったそうです。高視聴率番組だったことに驚きました。

ご一緒したスタッフ皆様、楽しく優しい方たちに恵まれました。
まさかの寒さに少し薄着だった私にコートを貸してくれた方がいました。
一つの番組を仕上げるのに、出演のボビー・オロゴンさん一家やスタッフ皆様の気持ちが一つになっていくのも感じられました。たった2日間での撮影で短い期間でのご一緒でしたが、番組作りの真剣さや人の優しさから作られる時間は、少し忘れたくない素敵な撮影でした。

昨日の放映が終わったあと、日本の駒込和装学院の先生たちからメールをいただきました。テレビを見てくれたとのことで、そのお気持ちがとても嬉しかったです。
私はニューヨークでお正月を過ごしていたのでテレビを見ることは出来ませんでした。
でも、日本から遠くはなれたニューヨークですが、キモノを通しつながっていることを感じ、日本から「テレビを見たよ」とメッセージをくれた皆様の近くにまるでいるみたいでした。

これからも、着物を通していろんな人たちとつながり、そして世界を広げていきたいと思いました。