4/27/2011

スウェーデンのテキスタイルデザイナーとの出会い

スウェーデンのヨーテボリーは北欧5番目に大きな街です。イベントのあった翌日、ヨーテボリー大学に訪問する機会があり、写真は大学周辺の街の様子です。イベントが終わるまで美術館とホテルを往復していただけに、このような風景に出会いはじめて北欧に来た感じがします。

今回の私のイベントの時に、ヨーテボリー大学の教授をしているトーマスさん(Thomas Laurien)がお手伝いしてくれました。
トーマスさんは、大学で日本のテキスタイル(生地)について研究しています。トーマスさんとは、弊社社員の杉浦さんが音信をとってくれていました。
そこで、イベントの翌日に、杉浦さんとご一緒にトーマスさんの大学に訪問しました。

通されたお部屋には、写真のように、テーブルの上に甘そうなブレッドがそのまま置いてあります。あまりの大きさとナイフまで添えられていて、二人で「これって、自分たちで勝手に切って食べていいのかな?」と疑問に思いつつ、トーマスさんがお茶を入れてくれていたので戻ってくるまで待っていました。それにしてもとても甘そうで美味しそうです。
やはり、私たちのために用意してくれていたブレッドでした。地元の名物のようです。そして濃厚な甘いブルーベリー?ジュースと一緒に食べるのだそうです。
アメリカでの甘いお菓子になれてきたので、この組み合わせも驚きはいたしませんが、カロリーを考えたら凄いことになっているのではないのかと思います。

トーマスさんは、自分がデザインしたファブリック(生地)を見せてくれました。写真はトーマスさん自身とデザインした生地です。

今、スウェーデンでは、若い人たちの間で日本の文化やファッション、そしてアニメなどがブームなのだそうです。トーマスさんが子供の頃に絞り染めを自宅でしていたけど周りの皆様は興味を持たなかったそうですが、日本の絞りのテキスタイル(生地)が日本から入ってくると、直ぐにブームになったのだそうです。「日本で流行っている」「日本の物」と言うことが、皆様のアンテナをキャッチする現象が起こっていることを話してくださいました。私が小さい頃は、西洋のブランドと言うだけで、なんでもかっこ良く見えてしまった時期を過ごしたことがあるので、その感性が、今は「日本から来たもの」と言うことだけでもクールに見える現象が海外で起こっているのは凄いことだと思いました。自国の文化の海外での認知度の高さに驚きました。

トーマスさんは、スライドで自分のデザインした世界観を教えてくれました。
トーマスさんが制作している生地は、日本の生地を使っているのではなく、トーマスさんの感性で得た「日本」と言う世界観を表しています。
写真のこちらのデザインは、タイトル「自由」です。そして文様は「ゆらぎ」です。籠から出ているお魚と籠の中に入ってしまっているお魚が向き合っています。籠が揺らいでいるのが、まるで水中での網にひっかかった魚を見ているようです。素敵な作品です。

デザイナーさんとコラボレーションして服の形状でも世界観を表現したりしています。写真のようにも制作した服がありますが、こちらは確か「キング」だったと思います。西洋な雰囲気に仕上げる作品もいくつか見られました。

そして、こうした一着を作り上げるまでに、トーマスさんはその背景にある、日本の着物の歴史や、日本の生地の技法についてもとても研究し、さらに日本文化への造詣も深かったです。

茶道のお話しでも盛り上がりました。日本の美意識というのでしょうか、私が好きな数寄屋は「残月の間」です。月を直視するのではなく、満月の日に残月の光でお茶を点てられるように作られた天窓です。仄かに漏れ出る光の中で、心の「静」に出会う。
天体、季節、数寄屋、そこに集う人たち、その一瞬にしか出会えない一服。お金では買うことが出来ない、そして個体として完成した形を残せない、「時」を味わう茶道ほど難しい芸術はないと思っていた気持ちを話したら、トーマスさんがとても共感してくださいました。その「一瞬」と言う素晴らしさを、テキスタイルデザイナーとして表したいと言う感性を持っているトーマスさんは、「ゆらぎ」と言う表現を好んでいることを知りました。

「これからも音信をとりつづけようね」とお互いに握手をかわしました。
素敵なテキスタイル研究者に出会えて、茶道のことを思い出しつつ、この瞬間を大切にしたいと心から思いました。

トーマスさんのテキスタイルデザイン、向かって左の肩に飛行機が飛んでいます。
これは空なのでしょうか? スライドより



4/23/2011

スウェーデンの国立世界文化博物館での着物ワークショップ

スウェーデンの国立世界文化博物館(Museum of World Culture)、「KIMONO CATWALK」と言うイベントでは、着物ワークショップとファッションショーを行いました。

着物のワークショップでは、スライドを使い1000年の着物の変遷を中心に、お話しをさせていただきました。
お話しの後には、帯結びをデモストレーションしました。

スウェーデンのほとんどの人達は英語が分かるとのことでしたので、今回、英語でお話しをさせていただきました。でも、私は流暢に英語が話せないため、帯結びのデモストレーションの時や質疑応答の時は、通訳の方に助けていただきました。日本語からスウェーデン語に通訳してくださいました。

ご協力してくださったのは、友子ハンソンさんです。友子ハンソンさんは、天皇皇后両陛下がスウェーデンに訪問した時に通訳をした方でした。

そのような方に通訳していただくことは大変恐れ多いと思いました。
とても優しくて、温かなオーラがあり素晴らしい方でした。
イベント前の打ち合わせの時からイベントが終わるまで、ご一緒にいてくださいました。

着物ワークショップでは質疑応答時間に、ご来場のお客様から沢山の質問をいただきました。写真は、通訳してくださっている様子です。
着物への関心がとても深いことに驚きました。
そのため、着物のファッションショーのあとにも、今回ショーで登場する着物について、ご来場の皆様にお話しをすることにいたしました。「皆様知りたいので、是非、お話ししてください」と、友子ハンソンさんに言われて、本当に嬉しかったです。

美術館が今回のイベントを新聞に載せた宣伝には自分の名前が大きく載っていたので、自分のプロモーションで来ているように思われてしまうこともあったかもしれませんが、本来の目的である「着物を世界へと発信する」そのためにここにいることを、言葉にしなくても友子ハンソンさんが理解してくれていたことが、胸につまされるほど嬉しかったです。

着物ファッションショーが終わり、モデルさんに舞台に残っていただき、ご来場のお客様に着物を説明いたしました。写真はファッションショーの後の舞台の様子です。ショーとしての完成度はさがってしまうかもしれませんが、そのように私が決断させていただきました。
ご来場のお客様も皆様がお話しを聞いてくださいました。

写真は、裏地を豪華にする着物の美の表現について説明しております。

友子ハンソンさんには、通訳していただいた以上に、「着物を伝えたいからここにいること」をご来場の皆様にお伝えいただいたように思いました。

4/19/2011

KIMONO CATWALK in Sweden - Kimono Fashion Show

ヨーロッパ二カ国の美術館で着物のファッションショーとワークショップをするため、4月4日から約2週間ヨーロッパに滞在しておりました。無事に終え、ニューヨークに戻りました。

一カ国目、スウェーデンのヨーテボリにある国立世界文化博物館(Museum of World Culture)で4月7日イベント名は「KIMONO CATWALK」です。
現在、国立世界文化博物館では、「KIMONO FUSION」と言う展覧会が行われております。その展覧会に伴ってのご依頼でした。
イベントを2部構成にして、着物ワークショップを6:30〜7:10pmと着物ファッションショー7:30〜8:00pmです。

地元紙には、新聞の半面に宣伝が掲載されていました。スウェーデン語なので分からないのですが、自分の名前が大きく載っているので何が書いてあるのかが気になります。この新聞は20万部発行されているとお聞きしました。

美術館側は、200名ほどの集客を見込んでいましたが、イベント当日500名ちかくご来場戴きました。

写真のように、座りきれないお客様で、舞台のサイドにまで席がならんでしまいました。
写真 Museum of World CultureのFlickrより

今回のブログでは、着物ファッションショーの様子をお伝えいたします。

美術館側が用意してくれた限られた道具の中で、舞台を作らないといけないので、前側に突き出る形の舞台に着物が生えるように黒い布ばりにしていただきました。
美術館側がそろえてくれた15人のモデルさんたちは、皆、地元の高校生たちです。日本のアニメや文化にとても興味を持っている子たちでした。

舞台の背景にあるスクリーンに映し出されている画像は、東京の千駄木にある古汲洞の石井久吾様が、持ち主様から使用許可をいただいたもので、スクリーンに使わせていただきました。5つの屏風が音楽のタイミングに合わせてスクリーンに映し出されます。

屏風絵 狩野派「松に鳥の図」江戸時代中期

帯 HINAYA KYOTO
屏風絵 狩野尚郁 江戸時代末期

着物 帯 WAFRICA
帯生地 HINAYA KYOTO
屏風絵 狩野尚郁「四季花鳥図」江戸時代末期



写真 Museum of World CultureのFlickrより

ファイナルは、打ち掛けの婚礼衣装にいたしました。

自分がキャスティングしたのですが、その中でもこちらのモデルさんが着物と帯が凄く合っていました。モデルさんの首の蝶のタトゥーが不思議と合っています。
こちらのモデルさんが着用している帯はHINAYA KYOTOの帯です。着物を選ぶわがままな帯でした。とても迫力があります。


いずれの写真とも、地元のヨーテボリー大学のLasse Karlssonさんが撮影してくださいました。メイクはNYからTadayoshi Hondaさん、ヘアはロンドンからTomohiro Roppongiさんがご協力してくださいました。

WAFRICAの着物デザイナーのセルジュさんが今回のファッションショーのために貸してくださった着物は、伝統と今、そしてこれからにコネクトしてくれるような存在感です。

皆様ありがとうございます!