7/25/2013

ローリー・シモンズ (Laurie Simmons) Geishaシリーズ3部作

1年と8ヵ月ほど前になるお話しで、2011年10月19日と20日に、ニューヨークを拠点に世界のアートシーンで活躍するLaurie Simmons(ローリー・シモンズ)さんからのご依頼で、ラブドールをローリーさんイメージのGeishaスタイルにする作業をしました。

この作品は3部作あり、3部作ともローリーさんから全てご依頼いただき、着物スタイリストとしてのご依頼だけでなく、ヘアセットやメイクのセッティングも任されていました。
2作品目での作品作りにご協力いただいたメイクアーティストの三澤さんがヘアスタイリングも担当してくれて、私が用意した鬘にローリーが求めるアレンジをくわえていただき、ラブドールにはGeisha風に白塗りのメイクをしていただきました。

今頃になって、3作品目であるこの仕事をブログに立ち上げようと思ったのは、先日、ローリーシモンズさんが、日本で個展を開き、そして本も出版され、その本を見ていたら私に仕事を依頼した経緯や私がスタジオにやって来た時の小話が載っていて懐かしく思いつつ、ブログに3作目の作品づくりの作業について書いてなかったなって思いブログを立ち上げようと思いました。(ただ単にブログに立ち上げるのを忘れていたと言うのもありますが・・・)
上の写真は先日発売されたローリーシモンズさんの本で、こちらの写真は、私が着物スタイリストとして作業させていただいたところのページです。

3作品目は、本当に出来が良かったです。
着物は紫で、本物の引き着です。
ローリーさんのアシスタントのレイチェルさんの背中には、青紫の着物を着た女性の入れ墨がありました。その入れ墨に描かれている女性をラブドールで作って欲しいとローリーさんは言われました。
前回の2作品目は青の着物、前にローリーさんとお話ししていた時には、「次回は黄色の着物で作品作りをしたいと思っている」と言われたので、そのイメージを自分なりに作っていたのですが、急に予定変更。「入れ墨として描かれている女性をラブドールに作り上げて欲しい」とのあまりに突拍子もない発想に驚きました。
やはり、芸術家は面白い視点があるけど、作業人の私としては急に予定変更されて戸惑うばかりでした。でも、不思議なことに引き寄せるのですね。そうしたローリーさんのイメージをハッキリと汲めると、そうした着物が見えてくるというか、3作品目にして、やっと何かローリーさんの感性が手に取るように分かるようになっていました。でも、このラブドール(紫の着物を着たのが)最後の作品、得てしてそう言う物ですね。

この着物(引き着)は迫力があり、人形相手と言うのが、なかなか思うに着物の表情を出せずにいるような感じで、そこを何とか表情を出せる着付けに挑戦しながら、メイクアーティストの三澤さんの迫力あるメイクに、引けを取らないようにがんばりました。
写真は、ローリーさんのスタジオで出来上がったところのラブドールです。魂が吹き込まれたような感じです。

写真作品の材料となる物を作る私たちの作業中に、お出かけになっていたローリーさんがお帰りになり、出来上がったラブドールを見に来たローリーさんが開口一発「ヒロ、あなたは一番どれが良いと思う?」と聞いて来たので、「この3作品目ですよ!」と答えたら、「私も、そう思う」と言ってくれました。

ローリーさんは、写真芸術家。写真を撮り終わると、アッサリとこのラブドールのメイクは落とされ、苦労して探した人形の小さな頭に合うサイズの鬘も外され、50kgほど重量のある人形(ラブドール)に着付けをした着物も外し、私は全てを持ち帰ります。全ては「写真」の中でしか生きない作品の材料を作っていると言う作業でしかありませんでした。
このローリーさんの写真作品の材料作りの作業をしていてフットいつも思うのは、海の砂浜で砂の城を作っているみたいな感じです。

でも、ローリーさんの作品集である本を見て思ったのは、決して砂の城を作る作業でしかなかったわけではなく、こうして私が携わることが出来た作品がローリーさんの写真の中で「芸術」として生き続けているのだと思えました。

日本での展覧会は、大好評だったとうかがいました。
心から、おめでとうございます!
この写真は、ラブドールにメイクをしてくださいましたメイクアーティストの三澤さんの後ろ姿とラブドールです。写真を見ていると、まるで生きている人間にお化粧をしているみたいだと思いました。

以前、2作品を作成作業した時のブログはこちらです。

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