11/21/2013

江戸小紋

先日、秋に似合う江戸小紋を着てみました。
赤一色の濃淡(グラデーション)からなるのですが、近くで見ると一色染めとは思えないほど多彩に見えます。とても繊細な柄で出来ているからなのでしょうか。もみじが描かれているのですが、秋の赤く染まる紅葉が風に揺れているかのようにも見えました。

江戸小紋染色家の小宮康孝さんの語りの中に、
江戸小紋の細かい柄、その美しさについて、「結局“無”ではないかと、最近、思うようになりましたね」と言います。
目色の白と、地色との細かく規則正しい配列の中へ、何もかもが吸い込まれてしまいそうな、透明な美しさ。一見、無地としか見えない一色染めの中に、みごとに染めあげられた江戸小紋の細かい柄は、「見えないところに創意を凝らす」とも言っています。
この言葉こそ、江戸小紋の真髄なのではないのかと思いました。

そして、小宮さんの語りが載っている本を読むと「時代と共に生きてこそ」と言う物作りの大切な視点を持っていることが書いてありました。
「親父(小宮康助さん)は、いつも『江戸小紋だの、伝統だのといっても、実用から外したら保存は不可能だ』といってました。あれだけ古い型紙を大事にした親父でしたが、それを生かす方法は実は大胆でしたね。」と小宮さんは言います。
時代の流れにとり残されたものは、いかに優秀なものであれ、ほろびていくしかない。“江戸小紋を現代に生かす”方途をもっと試るべきだと語ります。

「地味、渋い」と昔の人は江戸小紋をこのようにイメージすることが多かったそうです。華やかとは違いますが、小粋な映える着物として、現在の方が着こなしをしやすい着物だと思います。

-参考、語り抜粋「江戸小紋 華麗な江戸の伝統美 日本の染織6」泰流社刊-

こちらの写真は、本に載っていた小宮康孝さん作品の江戸小紋。柄は「地落ち梅と唐草」

こちらの写真の江戸小紋の柄も、本に載っていたもの。柄は「丁字鮫」


以前、ブログに伊勢型紙のことを書きました。関連参考までに。

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