10/24/2013

盆踊り

アメリカのフロリダ州の森上美術館で、10月19日の土曜日に盆祭りがありました。
この森上美術館が建っているフロリダのボカラタンに、 1900年初頭フロリダで最初の日系移民の入植地(ヤマト・コロニー)があり、京都府宮津出身の森上さんもこの入植に参加した一人でした。森上さんはこの地で成功をおさめ、所有していた土地をパームビーチ郡とフロリダ州に寄贈し、森上さんがヤマト・コロニーの記憶をとどめるよう希望したことから創設されたのがこの森上美術館です。美術館近くには「ヤマト・ロード」という道路まで走っています。

毎年夏に盆祭りが開かれるとのことですが、夏はハリケーンシーズンで大嵐に見回れることが多く、気候が安定している10月に今年は催すことになったそうです。 

盆祭り当日は晴天で、常夏のフロリダでも過ごしやすい涼しい風が時折ふいていました。
今回、私はその盆踊りに参加させていただきました。その時の写真です。 
盆祭りは、午後3時〜8時まであり、お祭りの間に3回ほどステージで太鼓を囲み盆踊りをしました。 

盆踊りは、地方色が強いので、催される地方により踊りは違いますが、海外にいると日本のいろんな地方出身の方たちや現地アメリカの人たちも参加するので、いろんな地方の盆踊りをしました。 

また、盆踊りの季語は、「秋」なのだそうです。 
こちらが、今回、森上美術館で催された盆踊りの題名です。 指導してくださいましたのは、三堀先生です。

1回目—女踊り
花笠音頭(山形)
相馬盆唄(福島)
桜音頭

2回目—女踊り 
花笠音頭 
宮津節(京都) 
桜音頭 
宮津小唄(京都) 
相馬盆唄
東京音頭

3回目—男踊り 
全国ご町内音頭 
日本太鼓 
ソーラン節(北海道) 
相馬盆唄
オハラ節(鹿児島) 
炭坑節(福岡)

歌詞を歌うと地方の特色が見えてきて面白いです。
女踊りの時は、お揃いの浴衣で、帯の結びは「二枚片わな」です。
男踊りの時は、ハッピを着用しました。  

着付け士でもある私ですが、盆踊りの衣裳は三堀先生に着付けていただきました。着付けていただいている時に補整のタオルが落ちそうになったので落ちないようにささえようと手を出してしまい、三堀先生から「着付けをしてもらう人は手を出してはいけません」と言われました。その一言で着付けをしていただく時の心構えを思い出しました。心に緊張が走り、とても良い経験になりました。アメリカに来てから着付けをしていただくという機会が無かったので、今回、三堀先生に着付けをしていただいて本当に良かったと思います。
日本で私に着付けを教えてくれた先生は、「人に着付けてもらうのもとても勉強になるのよ」と、よく言っていました。本当にいろんな気づきがあります。

この写真は、東京音頭を踊る時に観客の皆様も参加していただいて皆様で踊っているところです。 三堀先生がお客様に踊り方を教えています。恐れ多くも私は三堀先生の隣で踊らせていただきました。


10/10/2013

Kimono Hiro in Floridaのホームページを開設いたしました


この度、フロリダのマイアミで、Kimono Hiro in FLのホームページを開設しました。

昨年末にマイアミ日本国領事館の領事から大使公邸で開かれた天皇陛下誕生日レセプションに招かれました。着物をお召しになっている方を多く見かけ感動しました。
そのレセプションの席で当時の総領事にご挨拶させていただく機会に恵まれ、今年に入りレセプションにいくつかお招きいただきました。川原総領事からは「このフロリダでも着物を広めてください」と素晴らしいお声をかけていただきました。

1年ちかく準備期間がかかってしまいました。
ホームページ開設のお手伝いをしてくださいました方、また仕事を始めるにあたりご指導してくださいました方たちに深く感謝しております。ありがとうございました。

今後とも宜しくお願いいたします。
ホームページ  http://www.kimonoflorida.com/index.ja.html


10/03/2013

重要文化財の京友禅

前回、ニューヨークタイムズに京友禅染についての記事が載ったことをブログに書かせていただきました。

友禅について、もう少し触れておきたいので、素晴らしい着物を紹介します。 
約2年前の2011年10月29日〜12月11日まで、京都文化博物館で「京の小袖—デザインにみる日本のエレガンス」と言う展覧会がありました。 
大変貴重な江戸時代を中心とした小袖180もの作品が展示されました。

展示された1つ1つに詳細の解説が付いている本展覧会用に作られた本を、この展覧会を見に行った知人がアメリカの私のところに本を送ってくださいました。 写真は、本の表紙です。

本を見ているだけでも鳥肌が立つほどの感動があり、あまりに凄くて「直視出来ただろうか?」と眩しいほどに輝いている作品ぞろいでした。今後、一同にこれだけの小袖を見る機会に恵まれることがあるのかと思うと、実際に展覧会で見ることが出来なくて本当に残念に思いました。
この写真の作品は、重要文化財の束熨斗文様振袖です。 
–作品の詳細– 
紅紋縮緬地/絞り染め・友禅染・摺匹田・刺繍・摺箔 
時代は、江戸時代後期 
所蔵者は、友禅史会 

着物は劣化が早いため、現存する重要文化財は数点とうかがっております。こちらは、その中の1つです。 

この小袖が今の所蔵者である友禅史会に渡った経緯が興味深かったです。以下、本からの引用です。 
「本作品は、戦前に京都で活躍していた古美術商であり研究家でもあった野村正次郎が手元で大切に保管する品であったという。大正10年(1921)に来日したロックフェラー二世の篤志がきっかけで、野村から現在の所蔵者である友禅史会へ寄贈された。」 

写真の小袖以外にも、本展覧会ではロックフェラー二世の篤志によって寄贈されたものが多く展示されていたことが作品リストからも分かります。 
寄贈の時にロックフェラー二世は「愛する京都に寄贈する」と言ったそうです。小袖を贈る形で京都に残してくれたことは、情愛深い話だと思いました。そして、アメリカに持ち帰ることが出来ないほどに、日本から離れてはいけないような素晴らしい小袖だったとも思います。 

着物は日本にあってこそ、と言う考え方にも思える言葉になってしまい、私がしている仕事と逆方向のようにもとらえられてしまいますが、着物が「芸術」や「ファッション」になったときに、矢印が世界へと向くのではないのかと常日ごろから思っております。
既に、世界のファッションデザイナーさんたちが着物にインスピレーションを受けて洋服の中にも生地やデザインや形状などが一部浸透しています。 

この本に寄稿している切畑健の「鑑賞にあたって」の文中最後に、このように書いてあります。以下、抜粋。 
「各国各地の民族衣裳は、その地域と密接な関係をしめしつつ、意匠や技術で十分に堪能させますが、それらを日本のキモノ、特にこの展覧会でご覧にいれるこれらとはどこかに一線が存在すると考えられてなりませんでした。しかし民族衣裳に代わる言葉も思いつかないでいました。ところが、1993年のことです。アメリカ、ロサンゼルスの州立博物館で、江戸時代の小袖展が開催されて、日本からほぼ160領の小袖が運ばれました。その展覧会名が「When Art Became Fashion」とあり、感動しました。小袖美の原点は「Art」であるというわけです。」 

この切畑健の言葉に、着物を世界へと提案したいと思った時の初心を思い出します。